手掌多汗症 病院 治療

病院で行う手掌多汗症対策

手掌多汗症はその原因が明確には解明されていません。
しかし、発汗は自律神経の中でも交感神経という神経によって支配されており、交感神経が興奮することで手のひらの発汗が促進し汗がたくさん出てしまうことがわかっています。
ですから治療の方針としてはこの交感神経の興奮を抑える、あるいは遮断してしまうという方法がその基本的な治療目的になります。

 

精神療法

まず最も費用や体に負担の少ない治療としては心身療法があります。

 

心身療法とは発汗することに恐怖や不安を抱き過敏になってしまい常に交感神経が興奮してしまっている状態を、精神的な治療を行うことでリラックスしたり落ち着かせる、あるいは緊張した時の気持ちなどのコントロールをできるように訓練することで手のひらの発汗を少なくしようとする治療方法です。

 

この治療方法は効果がある人な良いですが不安が強くて治療がうまく進められないなどの可能性もありすべての人に有効というわけではありませんし、効果の個人差も非常に大きいという特徴があります。
時には精神安定剤などを使用する場合もあり、次の薬物療法と併用されることもあります。

 

薬物療法

精神安定剤も厳密にいえば薬物にあたりますが、手掌多汗症の薬物療法の基本は交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えるお薬を飲むことがその代表例です。

 

交感神経は神経と汗を出す汗腺との連絡物質としてアセチルコリンを神経が分泌します。
アセチルコリンがレセプターというアセチルコリンを感知する部分を刺激すると汗が出るのですが、そのレセプターを反応しないように抑えてしまうことで汗を減らす治療方法です。

 

別の薬物療法としてはボツリヌス毒素の局所注射が行われることもあります。
ボツリヌス毒素の注射により神経の麻痺がおこり発汗が抑制されます。
麻痺といっても全く動かなくなるわけではありませんので心配はありません。

 

外科的手術

別の治療方法が胸腔鏡下交感神経節遮断術です。

 

基本的には全身麻酔をかけて行う大掛かりな手術になるので、どうしても治療がうまくいかない人、発汗で悩んでどうしようもなく手術を希望される患者さんなど対象となる患者さんはある程度限定されます。

 

具体的には全身麻酔をかけ人工呼吸での管理を行いつつ、脇の下などに小さな穴をあけます。
その穴から小さなカメラやメスなどを胸腔内に入れて、カメラを見ながら脊椎の横を通っている交感神経幹という神経の束を切除や焼却してしまう治療方法です。

 

全身麻酔ですので痛みはなく手術時間も長いものではありません。

 

治療効果も高く、多くの患者さんは手のひらの汗はかなりの高率で改善されるといわれている治療方法です。
しかし、代償性発汗といって手のひら以外の発汗が逆に増加してしまい新たな悩みになる可能性があること、あるいは手術の合併症として気胸が起きる可能性があること、など良いことばかりでもありません。
ですから手術後には元に戻すことはできないので、手術を受ける際には十分な医師からの説明と手術や手術後に起きうる合併症などを理解したうえで行わなければいけません。